五平餅の発祥はどこ?岐阜・長野の郷土料理の歴史と由来を徹底解説

五平餅

五平餅は、中部地方の山間部で古くから親しまれてきた郷土料理です。うるち米を潰して串に刺し、甘辛いタレを塗って香ばしく焼き上げたこの素朴な味わいは、今や観光地の名物としても全国的に知られるようになりました。しかし、五平餅がいつ、どこで生まれたのかについては諸説あり、その発祥の地をめぐっては複数の地域が名乗りを上げています。本記事では、五平餅の発祥と歴史、そしてその魅力について詳しく解説していきます。

目次

五平餅発祥の歴史とは?江戸時代から続く郷土料理のルーツを探る

五平餅

五平餅は、岐阜県・愛知県・長野県など中部地方の山間部で古くから親しまれてきた郷土料理です。その発祥は江戸時代中期にまで遡るとされており、約250年以上の歴史を持つ伝統的な食文化として、現在も多くの人々に愛され続けています。

五平餅の起源については諸説ありますが、いずれの説も山間部の暮らしと深く結びついているのが特徴です。木曽や伊那、東濃といった山深い地域で生まれた五平餅は、当時の人々の生活や信仰を反映した料理として発展してきたと言われています。

江戸時代中期には存在していた五平餅

五平餅がいつ頃から食べられていたのか、正確な年代を示す文献は見つかっていません。しかし、農林水産省の郷土料理資料や各地の伝承によると、江戸時代中期にはすでに存在していたとされています。当時は山で働く人々の間で食べられていた素朴な料理であったと考えられています。

五平餅が生まれた背景には、中部地方の山間部特有の環境があります。険しい山々に囲まれたこの地域では、林業が重要な産業として栄えていました。木こりや炭焼きといった山の仕事に従事する人々にとって、持ち運びやすく、すぐに食べられる携帯食は必要不可欠なものでした。

山の仕事人たちが育てた食文化

五平餅の誕生には、木こりや狩人といった山で働く人々の存在が大きく関わっています。彼らは毎日山に入り、危険と隣り合わせの仕事をしていました。そのような環境の中で、ご飯を串に巻きつけて焼くという調理法は、非常に理にかなったものだったと言えるでしょう。

木材の伐採作業で出た木の切れ端を串として利用し、握り飯を巻きつけて焚き火で焼く。味噌や醤油を塗れば、簡単に美味しい食事が完成します。この実用的な調理法が、五平餅の原型になったと考えられています。

「山の講」と五平餅の深い関係

五平餅の歴史を語る上で欠かせないのが「山の講(やまのこう)」との関わりです。山の講とは、山で働く人々が山の神に感謝し、仕事の安全を祈願する祭りのことです。春と秋の年2回行われるこの行事では、山海の幸とともに五平餅がお供えされてきました。

特に春の祭りでは、五平餅が一番のご馳走として供えられることが多かったとされています。米を搗いて作った餅状の食べ物は、神聖なお供え物として重要な役割を果たしていたのです。このような信仰的な側面も、五平餅が長く伝承されてきた理由の一つと考えられています。

携帯食・保存食としての役割

五平餅は、単なる郷土料理としてだけでなく、山仕事に欠かせない携帯食・保存食としても重宝されていました。ご飯を半搗きにして串に巻きつけた形状は、持ち運びに便利で、現場ですぐに焼いて食べることができました。

また、味噌や醤油をベースにしたタレには保存性を高める効果もあり、山での長時間の作業中も美味しく食べられる工夫が凝らされていたと言われています。

発祥地をめぐる複数の説

五平餅の発祥地については、岐阜県、愛知県、長野県のいずれかとする説があり、現在も定説はありません。これは、五平餅が特定の一箇所で生まれたというよりも、中部地方の山間部全体で自然発生的に生まれた可能性が高いためです。

木曽地域や伊那地域、東濃地域、奥三河地域など、いずれも林業が盛んで山の暮らしが根付いていた地域です。それぞれの土地で独自に発展した五平餅が、交流や交易を通じて広まっていったと考えるのが自然かもしれません。

五平餅の名前の由来は?「御幣」説と「五平さん」説を徹底解説

五平餅という名前の由来についても、複数の説が存在します。最も有力なのは「御幣(ごへい)」に由来するという説と、「五平さん」という人物に由来するという説の2つです。それぞれの説について詳しく見ていきましょう。

最も有力な「御幣」由来説

五平餅の名前の由来として最も広く知られているのは、神事で使われる「御幣」に形が似ていることから名付けられたという説です。御幣とは、神道の祭祀で用いられる神具で、紙や布を木の棒に挟んだものを指します。

わらじ型の五平餅は、この御幣の形に似ていることから「御幣餅」と呼ばれるようになり、それが「五平餅」という表記に変化したとされています。山の神への供え物として使われていた歴史を考えると、この説には説得力があります。

豆知識:御幣とは?

御幣(ごへい)は、神社でよく見かける紙垂(しで)を棒に挟んだ神具です。神様への捧げ物や、神様の依り代として使われます。五平餅のわらじ型は、この御幣の形を模したものとされ、山の神への感謝と安全祈願の意味が込められていると言われています。

人物名に由来する「五平さん」説

もう一つの有力な説は、「五平さん」という人物が最初に作ったことに由来するというものです。この説によると、山仕事をしていた五平さんが、昼食時に握り飯に味噌を塗り、焚き火で炙って食べていたのが始まりとされています。

また、別の伝承では、16世紀中頃の川中島の戦いで、美濃出身の「五平」という人物が兵士たちに振る舞ったことが起源だという説もあります。ただし、この説を裏付ける確かな史料は見つかっていないため、伝説的な要素が強いと言われています。

「五合平らげる」という面白い説も

五平餅の名前の由来には、ユニークな俗説も存在します。「あまりにも美味しいので、一人で五合は平らげてしまうから」という説です。五合とは約750gのお米を指し、現代の感覚からすると相当な量ですが、重労働をしていた山の仕事人にとっては、それほど五平餅が魅力的な食べ物だったことを物語っています。

この説は半ば冗談めいていますが、五平餅の美味しさと人気を表現した言い伝えとして、今でも語り継がれています。

漢字表記の変遷

五平餅は「御幣餅」と書くこともあれば、「五平餅」と書くこともあります。どちらの表記も正しく、由来となった説によって使い分けられることが多いようです。御幣に由来すると考える地域では「御幣餅」、人物名に由来すると考える地域では「五平餅」と表記する傾向があります。

現在では「五平餅」という表記が一般的になっていますが、お店や地域によっては「御幣餅」の表記を大切にしているところもあります。

地域によって異なる呼び名

五平餅は地域によって様々な呼び方をされることがあります。例えば、飛騨地方では親しみを込めて「ごへいもち」と呼ばれることが多く、一部の地域では「ごへだんご」という呼び名も存在します。

これらの呼び名の違いは、五平餅が各地域の文化に深く根付いていることの証でもあります。同じ料理でも、地域ごとに独自の愛着を持って呼ばれているのは、郷土料理ならではの魅力と言えるでしょう。

五平餅の形は地域で違う?わらじ型・団子型・小判型の特徴

五平餅

五平餅の形は、地域によって大きく異なります。大きく分けると「わらじ型」「団子型」「小判型」の3種類があり、さらに細かく分類すると10種類以上あるとも言われています。この形の違いは、五平餅の面白さの一つであり、食べ比べの楽しみにもつながっています。

中山道を境に分かれる形の傾向

五平餅の形は、中山道を境に北と南で傾向が分かれるとされています。北側の地域では団子型が多く、南側の地域ではわらじ型が多いという特徴があります。もちろん例外もありますが、大まかな傾向として覚えておくと、各地の五平餅を楽しむ際の参考になるでしょう。

この違いが生まれた理由は定かではありませんが、各地域の食文化や調理環境の違いが影響していると考えられています。

東濃地方の「わらじ型」五平餅

岐阜県東濃地方で主に見られるのが「わらじ型」の五平餅です。草履(ぞうり)のような平たい形をしているため、このように呼ばれています。手のひらサイズに成形された五平餅は、見た目のインパクトがあり、食べごたえも十分です。

わらじ型は、御幣の形に最も近いとされ、神事との関連を感じさせる形状です。タレがしっかりと絡み、香ばしく焼き上がるのが特徴です。

飛騨地方の「団子型」五平餅

岐阜県北部の飛騨地方では、「団子型」の五平餅が主流です。ご飯を丸くまとめて串に刺し、3つから5つ程度並べて焼くスタイルです。一口サイズで食べやすく、お子様にも人気があります。

団子型の五平餅は、恵那市や中津川市でも多く見られます。この地域の五平餅は、1串に3つの団子が並ぶスタイルが定番とされています。

中濃地方の「小判型」五平餅

岐阜県中部の中濃地方では、「小判型」の五平餅がよく見られます。わらじ型ほど大きくなく、団子型よりも平たい、ちょうど中間のようなサイズ感が特徴です。小判のような楕円形をしており、上品な印象を与えます。

小判型は、わらじ型と団子型の良いところを取り入れた形とも言えるでしょう。適度な大きさで食べやすく、タレも程よく絡みます。

その他のユニークな形状

五平餅には、上記の3種類以外にも様々な形があります。木の葉型、ひょうたん型、丸型など、地域や店舗によって独自の形状が見られます。これらの形の違いは、各地域の創意工夫の結果であり、五平餅の多様性を示しています。

お店によっては、伝統的な形を守り続けているところもあれば、新しい形に挑戦しているところもあります。形の違いも五平餅巡りの楽しみの一つと言えるでしょう。

形状主な地域特徴
わらじ型東濃地方草履のような平たい形、食べごたえ抜群
団子型飛騨地方、恵那・中津川一口サイズの丸い形、食べやすい
小判型中濃地方楕円形で上品なサイズ感
木の葉型一部地域葉っぱを模した独特の形
ひょうたん型一部地域縁起の良いひょうたん形

五平餅のタレの秘密!くるみ・ごま・エゴマなど地域で異なる味わい

五平餅の美味しさを決める重要な要素が「タレ」です。形と同様に、タレも地域によって大きく異なり、それぞれの土地の特産物や食文化を反映しています。基本的には味噌または醤油をベースに、様々な素材を加えて作られます。

タレの基本構成と地域差

五平餅のタレは、大きく分けて「味噌ベース」と「醤油ベース」の2種類があります。中山道を境に、北側は醤油味、南側は味噌味が多いとされていますが、地域によっては両方を混ぜ合わせたタレを使うこともあります。

タレには、くるみ、ごま、落花生、エゴマなど、油脂を含む素材が加えられることが多いです。これらの素材は、コクと香ばしさを加えるだけでなく、栄養価も高めてくれます。

信州の「くるみ味噌」タレ

長野県では、信州の特産品であるくるみをふんだんに使った「くるみ味噌」タレが代表的です。くるみをすり鉢で丁寧にすりつぶし、味噌、砂糖、酒などと合わせて作られます。くるみの豊かな風味とコクが特徴で、素朴ながらも深い味わいが楽しめます。

くるみ味噌は、五平餅との相性が抜群で、焼くことで香ばしさが増し、食欲をそそる香りが広がります。

岐阜県の「ごまだれ」と「醤油だれ」

岐阜県では、ごまをたっぷり使った醤油ベースのタレが多く見られます。いりごまをすり鉢ですりつぶし、醤油、砂糖、みりんなどと合わせて作られます。ごまの香ばしさと甘辛い味付けが特徴で、ご飯との相性も抜群です。

中津川市や恵那市の五平餅店では、ごま、くるみ、落花生の3種類をブレンドしたオリジナルタレを使用しているところも多くあります。各店舗が独自のレシピを持っており、それぞれ異なる味わいを楽しむことができます。

飛騨地方の「エゴマ(あぶらえ)」タレ

岐阜県飛騨地方では、「あぶらえ」と呼ばれるエゴマを使ったタレが伝統的に作られています。エゴマは、シソ科の植物で、独特の香りと風味を持っています。飛騨地方では昔から栽培されており、五平餅のタレとしても重宝されてきました。

エゴマはオメガ3脂肪酸を豊富に含む健康食材としても注目されており、伝統的な味わいと健康面の両方で価値のあるタレと言えるでしょう。

愛知県の「甘味噌」タレ

愛知県の豊田方面では、赤味噌(豆味噌)をベースにした甘味噌タレが主流です。八丁味噌の産地である愛知県らしい味付けで、コクのある深い味わいが特徴です。砂糖をたっぷり加えて甘めに仕上げるのがポイントで、子どもから大人まで幅広く親しまれています。

愛知県の五平餅は、わらじ型で大きめのものが多く、甘味噌タレをたっぷり塗って焼き上げます。

豆知識:タレに使われる素材の効果

五平餅のタレに使われるくるみ、ごま、落花生、エゴマなどには、それぞれ栄養学的な意味があります。これらの素材は油脂を多く含み、タレにコクと滑らかさを与えるだけでなく、エネルギー補給にも役立ちます。山仕事で体力を消耗した人々にとって、これらの栄養豊富なタレは理にかなった食べ物だったと言えるでしょう。

家庭や店舗ごとに異なる「秘伝のタレ」

五平餅のタレは、家庭や店舗ごとに独自のレシピがあり、「秘伝のタレ」として代々受け継がれているところも多くあります。基本的な材料は同じでも、配合や調理法の違いで全く異なる味わいになるのが面白いところです。

中には、にんにく、ねぎ、柚子、山椒などを加えてアクセントを効かせたタレもあり、食べ比べをすると、その多様性に驚かされます。

五平餅の作り方と材料|うるち米を使う理由とは

五平餅は「餅」という名前がついていますが、もち米ではなく「うるち米」を使って作られます。これは五平餅の大きな特徴の一つであり、独特の食感を生み出す重要なポイントです。ここでは、五平餅の基本的な作り方と材料について詳しく解説します。

なぜ「うるち米」を使うのか

五平餅にうるち米(普通のご飯用のお米)を使う理由は、いくつかあります。まず、山間部ではもち米よりもうるち米の方が入手しやすかったという歴史的背景があります。また、うるち米を半搗きにすることで、ご飯の粒感を残しながらも粘りが出て、串に巻きつけやすくなります。

もち米で作った餅のようにビヨーンと伸びることはありませんが、適度な弾力と噛みごたえがあり、タレとの絡みも良いのが特徴です。

基本的な材料

五平餅を作るために必要な基本的な材料は以下の通りです。

【ご飯部分】

  • うるち米:4カップ(炊き上がり約8合分)
  • 竹串または割り箸:適量

【タレ部分(くるみ味噌の場合)】

  • 味噌:60g
  • くるみ:15g
  • いりごま(白):10g
  • 砂糖:80g
  • 酒:少々

ご飯の炊き方と「半搗き」のコツ

五平餅用のご飯は、普通の水加減で炊いて問題ありません。ただし、コシヒカリのような粘りの強い品種を使うと、より美味しく仕上がるとされています。炊き立ての温かいご飯を使うのがポイントで、冷めてしまうと搗きにくくなります。

「半搗き」とは、ご飯を完全にペースト状にするのではなく、粒感を少し残しながら粘りを出す状態を指します。すりこ木やめん棒を使ってボウルの中でご飯を搗いていきます。ご飯粒が半分程度残る状態が目安です。

成形と串への巻きつけ方

半搗きにしたご飯を成形する際は、手を水で濡らしておくと作業しやすくなります。わらじ型の場合は、ご飯を平たく伸ばして串に巻きつけます。団子型の場合は、ご飯を丸めて串に刺していきます。

串は、割り箸や竹串を使うのが一般的です。伝統的には、杉やヒノキの木片が使われていたとも言われています。ご飯がしっかり串に付くように、握りながら形を整えていきましょう。

タレの作り方

くるみ味噌タレを作る場合、まずいりごまをすり鉢でよくすりつぶします。次にくるみを加えてさらにすりつぶし、ペースト状にします。鍋に味噌、砂糖、酒を入れて弱火で加熱しながら、すりつぶしたごまとくるみを加えて混ぜ合わせます。

タレは焦がさないように注意しながら、なめらかになるまで練り上げます。出来上がったタレは、五平餅に塗りやすい硬さに調整しましょう。

焼き方のポイント

五平餅は、まずタレを塗らない状態で両面に軽く焼き色をつけます。この工程を行うことで、表面が固まり、タレを塗った後もご飯が崩れにくくなります。焼き色がついたら、タレをたっぷり塗って、もう一度焼きます。

焼くときは、弱火から中火でじっくり焼くのがコツです。強火で焼くとタレが焦げてしまうので注意しましょう。フライパン、魚焼きグリル、トースターなど、家庭にある調理器具で手軽に作ることができます。

岐阜県で味わう五平餅|恵那・中津川・馬籠の名店紹介

岐阜県は五平餅の本場とも言える地域です。特に恵那市、中津川市、馬籠宿などの東濃地方には、五平餅を提供する店舗が数多くあります。恵那市だけでも約48店舗で五平餅が食べられるとされており、食べ比べを楽しむ観光客も多く訪れます。

中津川市の老舗「喜楽(きらく)」

「喜楽」は昭和18年(1943年)創業の老舗で、中津川市で最も古い歴史を持つ五平餅専門店の一つです。JR中津川駅の正面に位置し、アクセスも便利です。四代にわたって受け継がれてきた伝統の味は、多くのファンに愛されています。

自家精米した地元産のお米を使用し、くるみ、ごま、落花生をたっぷり使った甘辛醤油のタレが特徴です。無添加にこだわったオリジナルタレは、焼くことで風味が増し、香ばしい香りが広がります。店内では五平餅定食なども楽しめます。

中津川市「五平餅のおふくろ」

「五平餅のおふくろ」は、中津川市太田町にある五平餅専門店です。中津川スタイルの団子型五平餅を提供しており、1串に3つの一口サイズの団子が並ぶのが特徴です。胡麻、くるみ、落花生をたっぷり使った醤油と砂糖のタレでこんがりと焼き上げられています。

お土産用の五平餅も販売しており、持ち帰って自宅で楽しむこともできます。

恵那市「あまから 恵那本店」

「あまから 恵那本店」は、JR恵那駅から徒歩1分という好立地にある人気店です。団子型の五平餅にこだわっており、秘伝の「くるみたれ」を付けて焼いた香ばしい五平餅を、1本110円(価格は変動する可能性があります)というリーズナブルな価格で提供しています。

五平餅定食も人気があり、観光客だけでなく地元の人々にも愛されている店舗です。

恵那市「五平餅おぎの」

「五平餅おぎの」は、地元恵那・中津川産のコシヒカリを使用した五平餅を提供しています。恵那地方独特の三つ玉団子の五平餅が特徴で、テイクアウトにも対応しているため、お土産として購入する人も多くいます。

地元の素材にこだわった手作りの五平餅は、素朴ながらも深い味わいが楽しめます。

馬籠宿で味わう五平餅

中山道の宿場町として知られる馬籠宿では、石畳の街道沿いに複数の五平餅店が軒を連ねています。馬籠の五平餅は団子型が主流で、価格は100円から150円程度、醤油ベースのタレが多い傾向があります。

江戸時代の面影を残す街並みを散策しながら、焼きたての五平餅を頬張る体験は、まさに旅の醍醐味と言えるでしょう。

店舗名所在地特徴
喜楽中津川市(JR中津川駅前)昭和18年創業の老舗、無添加タレ
五平餅のおふくろ中津川市太田町団子型、お土産販売あり
あまから 恵那本店恵那市(JR恵那駅徒歩1分)秘伝のくるみたれ、リーズナブル
五平餅おぎの恵那市地元産コシヒカリ使用、三つ玉団子

NHK朝ドラ「半分、青い。」で注目を集めた恵那の五平餅

2018年に放送されたNHK連続テレビ小説「半分、青い。」は、岐阜県を舞台にした作品で、劇中で五平餅が印象的に登場しました。豊川悦司さん演じるキャラクターが「うんま!」と五平餅を頬張るシーンは話題を呼び、五平餅ブームの火付け役となりました。

ロケ地となった恵那市岩村町には、放送後多くの観光客が訪れ、一部の店舗では売上が5倍に急増したとも報じられています。恵那市では「五平餅マップ」を作成し、市内で五平餅が食べられる店舗を紹介しています。

五平餅のお土産と通販|自宅で楽しむ方法と保存のコツ

五平餅は、現地で食べるだけでなく、お土産として持ち帰ったり、通販で取り寄せたりして自宅で楽しむこともできます。冷凍や真空パックの商品も充実しており、遠方に住んでいる方でも本場の味を味わうことが可能です。

お土産として人気の五平餅

岐阜県の観光地や駅、サービスエリアなどでは、お土産用の五平餅が販売されています。真空パックや冷凍の状態で販売されており、日持ちがするため、旅行の最終日に購入しても安心です。

お土産用の五平餅は、餅とタレが別々になっているものが多く、食べる直前にタレを塗って焼くことで、出来立てに近い味わいを楽しむことができます。

通販で取り寄せられる五平餅

インターネット通販では、岐阜県や長野県の五平餅専門店から直接取り寄せることができます。「古屋産業」「つぐや」などの老舗メーカーが人気で、くるみだれ付きの五平餅セットなどが販売されています。

「古屋産業」の五平餅は、岐阜県産うるち米のみを使用した生地と、くるみ・ごま・落花生を使用した無添加のくるみダレが特徴です。12本詰から20本詰まで様々なセット内容があり、ギフト用の化粧箱包装にも対応しています。

「つぐや」は愛知県北設楽郡設楽町を拠点に、津具高原のきれいな水と香り豊かなお米を使った五平餅を製造しています。工場直送の通販では、特製くるみだれの五平餅を自宅で楽しむことができます。

五平餅の保存方法

手作りの五平餅は常温保存には適していませんが、お土産用の真空パック商品であれば常温保存が可能なものもあります。商品によって異なりますが、消費期限は7日から30日程度が一般的です。

より長く保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。空気が入らないようにラップで包み、冷凍保存用の袋に入れて密閉してから冷凍室に入れましょう。冷凍保存した五平餅は、3週間程度を目安に食べきることが推奨されています。

解凍と温め直しのコツ

冷凍した五平餅を美味しく食べるには、電子レンジで温めるのが最も簡単な方法です。餅とタレが別々になっている場合は、まず餅をレンジで温めてから、タレを塗って軽く火であぶると、焼きたてに近い美味しさが楽しめます。

湯煎で温める方法も失敗が少なくおすすめです。商品に記載されている調理方法を確認して、最適な温め方を選びましょう。

豆知識:五平餅の温め方比較

【電子レンジ】手軽で時短、ただし焼き色はつかない
【トースター】香ばしく焼き上がる、焦げに注意
【フライパン】均一に焼ける、油は不要
【魚焼きグリル】本格的な仕上がり、火加減に注意
【湯煎】失敗が少ない、餅がふっくら仕上がる

五平餅のカロリーと栄養

五平餅1本(約167g)あたりのカロリーは約296kcalとされています。主な栄養素は炭水化物で約63g、たんぱく質が約5g、脂質が約3gです。タレに使われるくるみやごまには、良質な脂質やミネラルが含まれています。

エネルギー補給には適した食べ物ですが、ダイエット中の方は食べる量に注意が必要です。玄米を使った五平餅であれば、カロリーと糖質を抑えつつ、ビタミンやミネラルも摂取できます。

五平餅に関するよくある質問(Q&A)

五平餅について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。旅行前の情報収集や、五平餅作りの参考にしてください。

Q1. 五平餅はどこの郷土料理ですか?

A. 五平餅は、岐阜県、愛知県、長野県など中部地方の山間部に伝わる郷土料理です。特定の一箇所が発祥地というわけではなく、木曽、伊那、東濃、奥三河など複数の地域で古くから親しまれてきました。現在も各地域で独自のスタイルの五平餅が作られています。

Q2. 五平餅と普通の餅の違いは何ですか?

A. 最大の違いは使用する米の種類です。一般的な餅はもち米を搗いて作りますが、五平餅はうるち米(普通のご飯用の米)を半搗きにして作ります。そのため、餅のように伸びることはなく、ご飯の粒感を残した独特の食感が特徴です。

Q3. 五平餅の名前の由来は何ですか?

A. 名前の由来には主に2つの説があります。一つは神事で使われる「御幣(ごへい)」に形が似ていることから名付けられたという説、もう一つは「五平さん」という人物が最初に作ったという説です。現在では前者の説がより有力とされていますが、確定的な史料は見つかっていません。

Q4. 五平餅のタレに使われる材料は?

A. 基本的には味噌または醤油をベースに、くるみ、ごま、落花生、エゴマなどを加えて作られます。砂糖やみりんで甘みを加え、酒を入れることもあります。地域や店舗によってレシピは様々で、柚子や山椒を加えるところもあります。

Q5. 家庭で五平餅を作るコツは?

A. ポイントは3つあります。まず、炊き立ての温かいご飯を使うこと。次に、ご飯をしっかりと半搗きにして粘りを出すこと。最後に、焼くときは弱火から中火でじっくり焼き、タレが焦げないように注意することです。コシヒカリなど粘りの強いお米を使うと、より美味しく仕上がります。

Q6. 五平餅の形が地域によって違うのはなぜですか?

A. 五平餅の形が地域によって異なる明確な理由は分かっていませんが、各地域の食文化や調理環境の違いが影響していると考えられています。中山道を境に北は団子型、南はわらじ型が多いとされ、地域ごとの伝統が受け継がれてきた結果と言えるでしょう。

まとめ|五平餅発祥の地で味わう伝統の味

五平餅は、江戸時代中期から続く中部地方の伝統的な郷土料理です。その発祥については諸説ありますが、山で働く人々の携帯食として、また山の神への供え物として発展してきたことは確かです。

名前の由来は、神事で使われる「御幣」に形が似ていることから付けられたという説が有力です。「五平さん」という人物が作ったという説もあり、どちらも山間部の暮らしと深く結びついた由来となっています。

五平餅の魅力は、その多様性にもあります。わらじ型、団子型、小判型など形は様々で、タレもくるみ、ごま、エゴマなど地域によって異なります。岐阜県の恵那市や中津川市には数多くの五平餅店があり、食べ比べを楽しむことができます。

2018年のNHK朝ドラ「半分、青い。」で注目を集めて以来、五平餅の人気は全国的に広まりました。現地で味わうのはもちろん、お土産や通販で取り寄せて自宅で楽しむこともできます。

岐阜を訪れた際は、ぜひ本場の五平餅を味わってみてください。江戸時代から受け継がれてきた素朴な味わいは、現代においても変わらぬ魅力を放っています。各店舗で異なるタレの味わいや形の違いを楽しみながら、五平餅の奥深い世界を堪能していただければ幸いです。

この記事のポイント

  • 五平餅は江戸時代中期から続く中部地方の郷土料理
  • 名前の由来は「御幣」に似ているから、または「五平さん」が作ったからという説がある
  • 形は地域によって異なり、わらじ型・団子型・小判型などがある
  • タレもくるみ、ごま、エゴマなど地域の特色が反映されている
  • 岐阜県恵那市・中津川市には多くの名店が集まっている
  • お土産や通販でも本場の味を楽しめる
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この記事を書いた人

岐阜ナビ編集部は、岐阜の地名・言葉・文化・観光地に関する「なぜ?」を、調べ物ベースでわかりやすくまとめる情報サイトです。体験談や感想ではなく、意味や背景を丁寧に解説することを大切にしています。岐阜について知りたい方の疑問を、1ページで解決することを目指しています。

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