谷汲山華厳寺

岐阜お出かけ情報
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谷汲山華厳寺について

 

 谷汲山華厳寺をお勧めします。

 華厳寺は、揖斐郡揖斐川町谷汲にある天台宗の寺院です。華厳寺は山の麓にあるため、駐車場からは約20~30分程度、歩かなくてはいけません。門前の道は、石畳が引かれており、行きは登りの坂道となっています。また華厳寺の仁王門を潜り抜けてからは、石畳の道と段数の多い階段があります。そのため、歩きやすい靴や服装で行かれるのがお勧めです。お年寄りや小さなお子様は、華厳寺まで歩くのが困難かもしれません。

 まずお勧めの1つ目は、歴史があり、他の寺院との繋がりが深いところです。

 華厳寺は、豊然上人により、798年(延暦17年)に建創されています。華厳寺内には、文化財にしていされている仏像などがあります。木造毘沙門天立像は、本堂内、本尊の脇侍として安置されていますが、一般には公開されていません。平安時代初期、9世紀に作られたとされる古像です。本像は、陰うつな表情、太造りの体躯、頭部が体部にめり込むような表現など、日本の毘沙門天像の中でも異色の作である。もう1つは、絹本著色三十三所観音像であり、鎌倉時代に作られました。どちらの像も縦160センチはあり、古像としては背が高いものであったと思います。

 また、西国三十三所の第33番目の寺院です。西国三十三所とは、近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音信仰の霊場のことです。これらの霊場を札所とした巡礼は、日本で最も歴史がある巡礼行であり、現在も多くの参拝者が訪れています。華厳寺は、三十三の寺院のうち、33番目の寺院として登録されていますが、第1番目は和歌山県の那智の滝の付近の那智山の青岸渡寺から始まっています。また、33の寺院の中には、京都府にある醍醐寺や清水寺、奈良県の興福寺なども含まれており、有名な寺々と並ぶ寺院の1つであることがわかります。

西国三十三所の霊場を全て参拝すると、観音菩薩を巡礼参拝すると、現世で犯したあらゆる罪業が消滅し、極楽往生できるとされています。このような参拝は、江戸時代から広まるようになりました。当時は、車が今ほど発達していなかったため、第一番から第三十三番までの巡礼道はもちろん徒歩でした。西国三十三所の巡礼道は、約1,000kmであり、かの有名な四国八十八箇所のお遍路道約1,400kmと比較すれば短いですが、京都市内をのぞいて札所間の距離が長いため、大変な労力を要するものであったと思います。現在では全行程を歩き巡礼する人はとても少なく、自家用車や公共交通機関を利用する人がほとんどです。
那智山の青岸渡寺から巡礼をしていくのもいいですが、33番目の華厳寺を参拝して歴史や他の寺院について学んでみるのもいいのではないでしょうか。                                      

 

 お勧めの2つ目は、門前の参道における四季の景観が美しいところです。

 華厳寺まで続く参道の脇には、隙間なく木々が植えられています。その木々は、ソメイヨシノの桜の木であったり、紅葉の木であったりします。

 そのため、春には桜が一斉に咲き乱れ、桜の花のトンネルを作り出します。約300本のソメイヨシノが咲き乱れるのは圧巻です。桜を見ながら参道を歩いて行くと、上りの坂道を進んでいることを忘れてしまうほどです。飛騨・美濃さくら33選の1つでもあり、多くの花見客で賑わいます。4月の第2日曜日には「さくらまつり」も開催され、大賑わいとなります。                        

 また、秋には紅葉の木々によって、門前に真っ赤な紅葉のトンネルが作られます。     

春とは異なり、冬が近づいてきている凛とした雰囲気の石畳や空模様と紅葉の作り出す景観が素晴らしいです。秋の紅葉の景色も飛騨・美濃紅葉33選の1つであり、「紅葉まつり」も開催されています。 

 冬には、門前町と雪景色の景観を楽しむことができます。石畳の道や木々が真っ白に色付けられるのがとても美しいです。谷汲の寒さは厳しいですが、他の季節には見られない荘厳な雪景色を楽しむことができます。元旦には、仁王門を抜けてからは、松明が焚かれていたりして、参拝客が暖をとれるような工夫がされています。

 単に華厳寺を目指して参道を歩くだけでなく、四季折々の景観を楽しみながら参拝できるのは、中々他の寺院には見られない風情があると思います。

 

 お勧めの3つ目は、門前町のグルメを楽しめるところです。

 門前町には、趣のある店舗が軒を連ねています。飲食店、喫茶処、旅館、菊花石店、骨董品・美術品店などがあります。特に、グルメでは、よもぎがっぷりと使われた「草餅」、にっきの味がしっかりとする「ういろう」、「みそおでん」や「田楽」などが店頭で販売されています。また、川魚の鮎やます、うなぎなどの料理も振る舞われております。また谷汲では、しいたけ栽培が盛んということもあり、参道の店舗では採れたてが販売されていたり、飲食店ではしいたけが振る舞われていたりします。地元の名物や旬の物がふんだんに使われた「釜飯」なども美味しいです。    

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門前町のグルメは、流行のフレンチ料理やイタリアン料理などではないですが、日本ならではの素材の味を大切にした、料理を楽しむことができます。日本人だけではなく、外国の人ももちろん満足ができるものとなっているでしょう。

 

 谷汲山華厳寺を紹介しました。

 古き時代から多くの人に信仰されてきた霊場の1つであり、現在も多くの人が参拝しています。様々な祈願をすることは勿論ですが、お勧めであげた3つも楽しむことができます。是非1度足を運んでみてください。