揖斐峡と恋の吊り橋について

揖斐峡と恋の吊り橋について

 

 まず揖斐峡を紹介します。揖斐峡は、揖斐郡揖斐川町にある揖斐川の中流の渓谷であり、大垣方面から国道303号線を北上すると、左手に揖斐峡大橋が見えて来ます。揖斐峡大橋までの道中は、田畑に囲まれた田舎道をひらすら北上していきます。この先に、峡谷があるのだろうかという不安な気持ちと楽しみな気持ちが半々で進んで行きますが、左折した途端に不安な気持ちはすぐに消えます。

 国道303号線を左折すると、すぐに赤くて大きな揖斐峡大橋が現れます。                      

早く車から降りて、峡谷や橋を見たいという気持ちが湧いてくることでしょう。揖斐峡の専用の駐車場は設けられていないため、すぐ付近にある久瀬特産品販売所という場所の駐車場に停めさせてもらうか、道路脇に停めておく必要があります。揖斐峡は、揖斐峡よりも下流にある「西平ダム」が建設されたことによりせき止められた人造湖を中心にできています。

 揖斐峡の見どころは、揖斐峡大橋とそこから見える景観です。

 揖斐峡大橋は、揖斐川町三倉と乙原をつなぐ、揖斐川にかかる岐阜県道40号のトラス橋です。真っ赤な色の揖斐峡大橋は、周りの新緑に反してとても映え、目に飛び込んできます。トラス橋であるため細長い部材を三角形に繋ぎ、それを繰り返して橋が構成されています。1943年(昭和18年)に建設されましたが、その古さを感じさせない美しい見た目であるため、途中で修復工事、着色などされているかもしれません。揖斐峡大橋の幅は片側1車線の、合計2車線の道路であり、歩道はありません。そのため、自家用車で来た方は、車で揖斐峡大橋を渡ることも可能です。                                                                                   

DSC_0155

 揖斐峡大橋からの景観は息を飲むほど美しいです。まず、橋から見下ろす揖斐川が含まれている人造湖は、翡翠(ひすい)色のようなはたまた抹茶色のような色に見え、とても美しいです。                     

 その水面を見ていると、鳥や魚が体を羽ばたかせているのを見ることができます。揖斐峡大橋、揖斐峡周辺はとても静かであるため、どこまでも続く水面を見ているだけで、木々が揺れる音や鳥のさえずりなどが聞こえてきて、心が洗われます。いつまでも見ていたいという気持ちになります。

 また、揖斐峡の両脇にどこまでも広がる木々が青々と茂っており、翡翠色または抹茶色の水面との組み合わせで美しい景観を作り出しています。                                                 

さらに、晴れている日には空の色や雲も加わり、さらに美しい景観を作り出されます。晴れている日の水面は明るく照らされた翡翠色または抹茶色をしていますが、雨の日もまた晴れの日とは異なる景観を楽しめると思います。                                                                     

 私自身は、揖斐峡の景観は年中通して大好きですが、特にお勧めであるのが、紅葉の時期です。揖斐峡の両脇には、紅葉の木も多く生育しているため、飛騨・美濃紅葉三十三選の1つに指定されています。毎年11月頃が見頃とされています。揖斐峡大橋には先ほど述べたように歩道はありませんので、車の往来に気をつけながら、揖斐峡の景観を楽しまれると良いです。

 

 次に恋の吊り橋を紹介します。恋の吊り橋は、大垣方面から国道303号線を北上すると、揖斐峡大橋よりも手前にあります。国道303号線を北上する左手に恋の吊り橋はありますが、初めて行く人には分かりにくいと思います。恋の吊り橋付近に小さな看板が出ていますので、それを見つけるようにゆっくり運転されると良いと思います。ここも専用駐車場がないため、付近の空き地か久瀬特産品販売所の駐車場に停める必要があります。       

 国道303号線から、階段で降りると、恋の吊り橋があります。恋の吊り橋と呼ばれるだけあり、揖斐川に架かる赤い吊り橋で、歩くと揺れます。木製の吊り橋で、横幅は広くなく、人がなんとかすれ違うことができる位で、全長は80メートルです。

 恋の吊り橋のおすすめポイントは、名称の通り、恋が成就すると言われていることです。恋の吊り橋と呼ばれるようになった由来は、この橋が架かることで橋の両脇の東津汲と西津汲の男女が会いやすくなり、恋が成就したと言われています。         

 恋の吊り橋を男女で渡ると、吊り橋が揺れることで橋から落ちないかと心臓がドキドキし、それを相手へのドキドキ感と勘違いし、恋愛感情が生まれる「吊り橋効果」があると言われてもいます。両思いの方も片思いの方も、お相手と一緒に恋の吊り橋を渡ることで、さらに愛情が深まること間違いなしです。橋を渡りきると、恋の鐘や結ばれ地蔵が祀られています。結ばれ地蔵は、優しい顔つきの2体のお地蔵さんが見つめあっており、見ているこちらも心が和みます。

また、ハート型の木札や南京錠がそれらの近くの専用の場所に吊るされています。たくさんのカップルが願いを込めて吊るしたり、片思いの人が両思いになれるようにと願いを込めて吊るしたりしています。ハート形の木札や南京錠は、久瀬特産品販売所で販売されていますし、自分で持参しても良いと思います。岐阜県内での恋愛成就スポットはあまりないため、貴重で珍しい場所だと思います。橋はいつでも渡ることができますが、木製の吊り橋であるため、5人以上は同時に橋を渡ることができません。人の混み具合などを見て、渡るようにしてください。

 

 揖斐峡と恋の吊り橋を紹介しました。どちらも橋が架かっていますが、それぞれの楽しみ方があります。揖斐に来られた際には、是非一度足を運んでみてほしいです。